大井川鐡道旅2018② ~奥大井の秘境を満喫する~
こんにちは。
大井川旅行、二日目です。
↓前回:大井川本線沿線の観光
※記事中に出てくる情報は全て2018年当時のものです。特に鉄道・バスの時刻などは変更になっている可能性があります。ご了承ください。
目次
千頭で小さな絶望
初日は大井川本線の沿線観光をし、川根温泉笹間渡のホテルに一泊しました。
二日目は井川線沿線を巡る旅ということで、まずは千頭に向かいます。
元近鉄16000系の普通列車からスタート。元特急車両ということで、車内の快適さは間違いなしです。
さて、私はホテルを素泊まりで予約しており、朝ごはんは食べていません。
GoogleMapを見ると千頭駅に売店が併設しており、朝8時から営業しているとのこと。
しかし、8時を過ぎて売店の様子を見てみると…
開く気配なし。
目の前にたくさんのお土産やお弁当が並んでいるのに、買えません。
駅員さんに聞いたのか貼り紙があったのか忘れましたが、売店は10時ごろ開くとのことでした。
私は9:12の列車に乗るつもりであり、その先で食べ物を買えるようなところもしばらくなさそうだったので、昼まで何も食べずに行くか…?と絶望。
さすがにそれは厳しいので、予定を一本遅らせて10:19発の列車に乗ることにしました。
Googleの情報は最新とは限らないので過信しない方がいい、というのはいい教訓です。
さて、井川線の乗り換えまで二時間あくことになったので、周辺をぶらぶらしてみます。
まずは千頭駅構内に停まっている色々な車両を見てみます。
右には井川線用の車両がずらっと並んでおり、左には14系客車が4両留置されています。
14系はヘッドマークが抜かれ、(なぜか一両目だけ特に)錆が目立ち、なんだか廃車されてそのまま放置されている車両のように見えます。
しかし、これは2016年にJR北海道から譲り受けたものの、それから使用されることはなく、「使用開始時期未定」のまま放置されているそうです。
現在でも別の場所で放置されているらしく、公式HPの「大鉄車両図鑑」からも削除されてしまったようで、動向の心配な車両です。
少し駅を離れ、川沿いを歩いてみることにしました。
千頭駅でもすぐそばを線路と並行して大井川が流れており、国道77号の川根大橋がかかっています。
その川根大橋を歩いていると、単機のディーゼル機関車が千頭駅に向かっていきました。
隣の川根両国駅に車両基地があるらしいので、おそらくそこから回送されてきて、始発井川行きの牽引機になったようです。
さらにぶらぶらしていると桜が咲いていたので、見送ることになった9:12の始発井川行きを撮影することにしました。
そして千頭駅に戻ってきました。
さて、ホームで待っていると先ほどと同じように川根両国方面から単機でディーゼル機関車がやってきました。
ホーム横の側線に停まっていた客車に連結する様子を見ることができました。
客車は機関車と連結されると、入れ替えてこちらのホームへとやってきました。
井川行きの先頭は客車ですが運転台を備えており、後ろから機関車に押される形で走ります。終着駅で機回しは行いません。
こうしてようやく井川線の旅を始めることができました。
全国屈指の秘境駅、尾盛へ
列車は引き続き大井川沿いを進んで行きます。
途中のアプトいちしろ駅からは特に勾配の激しい区間で、アプト式の機関車を連結して登っていきます。
井川線は基本的に非電化でディーゼル機関車による運転ですが、この区間のみ電化されており電気機関車が連結されます。
客車やディーゼル機関車と比べると随分大きいですね。
ここは有名な秘境駅で、山に囲まれた大自然の中に放り出されたような場所です。降りたのは私だけでした。
左にホームのようなものがありますがそちらは使われておらず、右側のほぼ地面のようなところから乗り降りします。
尾盛駅は一時期熊が出て下車禁止となっていたようです。それはさすがに解除されていましたが、どっちにしろ怖いので20分ほどで反対列車がやってくる時間を狙って訪れたのでした。
長島ダムを見物
さきほど通り過ぎた長島ダムに戻ってきました。
ここで下車して周辺を見てみます。
隣のアプトいちしろ駅との標高差は約90mあり、最大勾配は90‰だそうです。
ここで、駅前のバス停からちょうどいい時間に閑蔵方面のバスがあったので、これに乗車することにします。
奥大井湖上を訪れる
次は井川線の中でも特に有名な観光地、奥大井湖上に向かいます。
長島ダムから乗車したバスは駅の対岸の道路に停まるため、雑誌などでも良く取り上げられる、対岸から駅を撮影できるスポットに簡単に行くことができます。
川は不思議なエメラルドグリーンの色をしています。
対岸から井川線の列車を一本見てみます。
では、歩いて奥大井湖上駅に向かってみます。
この鉄橋は東京・お台場のレインボーブリッジよりも前から「レインボーブリッジ」と名付けられていたそうです。
上写真の右側にガーター橋が見えていますが、長島ダムができる前に使われていた旧線だそうです。こちらの新線に切り替えられた1990年にこの奥大井湖上も新駅として開業しました。
ホームの上には展望用のコテージがあります。このとき営業していたのかわかりませんが、時間の関係か入りはしなかったようです。
レインボーブリッジを渡ってやってきた下り列車に乗り込みます。
井川駅そばの廃線跡を散策
その途中にも見どころがあります。こちらは尾盛~閑蔵間にある関の沢橋梁。
川底からの高さは70mで、現在では日本一高い鉄道橋だそうです。
井川駅からはかつて、貨物用の堂平(どうだいら)駅に至る線路が伸びていました。1996年に休止線となって以来実質廃線となっていますが、その廃線跡が遊歩道として整備されているので歩いてみることにします。
左手はずっと山というか森ですが、奥の方からずっと動物の鳴き声が聞こえるような気がし、一人で歩くのは結構怖かったです。
そして井川駅から25分ほど歩いて、堂平駅跡地にたどり着きました。
駅の跡は若干開けていますがホームの跡等はなく、特に何があるという訳でもありません。
ここまで来ても政令指定都市である静岡市内だというのが驚きです。
もう少し山道を進むと「夢の吊橋」という吊橋があるらしいのですが、微妙に列車の時間にギリギリになりそうだったのでここで引き返しました。
写真左側が井川駅。奥に見える「ミニ列車 井川駅」と書いてある鉄橋は、さっきの堂平駅に向かう廃線に繋がっていた線路と思われます。
帰路
大井川鐡道の見どころを満喫し尽くし、帰路につきます。
まだ16時前ですが、これから乗車する上り列車は最終列車で、乗り遅れると大変なことになります。そのため夢の吊橋までは行かず、余裕を持って引き返したのでした。
井川駅までで井川線には全線乗車したことになるので、あとは一度通った道を帰るだけになります。
しかし、一か所紹介していない見どころがありました。
ここは鉄道橋ではなく、おそらく国道77号と思われますが道路が大井川をまたぐ橋です。
この後ですが、列車は落石を踏んだとかで緊急停車し、かなり遅れた記憶があります。
わりと崖すれすれのところで立ち往生し、作業員さんが復旧作業をしていました。時間的にも段々暗くなってくる頃で、かなり不安を覚えました。
30分くらい遅れたようですが、無事に千頭駅に到着。
千頭からは朝と同じ16000系で金谷へ向かいます。もともと乗り換え時間が1時間近くあったので、井川線の遅れの影響は受けずに済みました。
こうして、金谷からまた東海道線の鈍行を乗り継ぎ、家路につきました。
一泊二日の旅行でしたが、本線・井川線ともかなり見どころが多く、とても充実した観光ができたと思います。
SLあり、大自然あり、温泉あり、スリルありと、鉄道好きでない方にも十分おすすめできる観光路線です。
ということで今回の旅行記は以上です。
ありがとうございました。